……どんな救いの言葉よりも。

胸の奥が、溶けていく。



涙をこぼしたあたしをからかうように、那智はコツンとおでこをぶつけ

そしてクスッとかなしく笑った。


あたしも泣きながら、一緒に笑った。




「俺ら、地獄行き決定やな」


「うん……ホントに」



……本当。


あたしたち、どうしようもないね。


親不孝で、バチあたりで

最悪だよね。



だけど那智が好きだった。


ずっと、ずっと
ずっと……


12歳のあの夏から

那智が、大好きだったんだよ。






「眠ろう。藍」



温かい腕に包まれてあたしは目を閉じる。



最後の夜はふたり、子どもに戻ったように

寄り添いながら眠った。