「何に対してあやまってんだよ。やめろ、藍！」



強くなる一方の雨が、背中を濡らしていく。


いくら説得されても土下座し続けていると

斗馬くんとは違う手が、あたしの肩にそっと触れた。



「藍」



那智……。



「また熱出るから、部屋戻るぞ」


「待てよ、お前がそばにいるべき相手は藍じゃねぇだろ！
自分の彼女がこんなに泣いてんのに、なんでほっとけるんだよ！」



斗馬くんが噛みつくように言うと

那智はあたしの肩を抱いたまま、まっすぐメグちゃんを見た。



「……ごめん」



それを聞いたとたん、メグちゃんの両目からさらに涙があふれだした。



「那智……やだっ…嫌っ！」


事実を認めまいとするように、激しく頭を振って泣きわめく。