こんなことを考えること自体
まちがっているのは
百も承知だけど。
……もし
あたしたちが出逢うのが
もっと遅かったら
無邪気な子ども時代を終え
大人になっていたのなら
少しは違う求め方が
できたのだろうか。
考えても仕方ないことをアレコレ考えてしまうのは、きっと熱のせいだ。
3日3晩。いや、もしかしたらそれ以上。
あたしは自分の部屋のベッドで、体調を崩して寝こんでいた。
那智は帰ってきていない。
今この家に響く音といえば、
あたしの呼吸と、時計の針と
斗馬くんから送られてくるメールの着信音くらい。