……間違いない。
那智が初めて描いてくれた
あたしの絵。
無邪気に互いを想い合えた頃の
象徴ともいえた、あの絵。
「…なんで……」
あるはずがないのに。
中学の卒業式の朝、あたしの手でたしかに捨てたはずなのに。
なぜ、それが
那智の部屋に―――…
あたしはひざから崩れ落ちて泣いた。
あふれる涙の意味は、自分でもわからなかった。
震える手で、絵を取って見ると
所々やぶけた部分が、テープでつなぎ合わされていた。
不器用に
だけど、ていねいに。
大切そうに……。
「なんで……
……那智――…っ」
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