着替えをすませてからメールの返事を送ろう。
あたしは自分の部屋に向かった――そのとき。
那智の部屋のドアが突然、すぅっと開いた。
「キャッ」
驚いて悲鳴を上げるあたし。
が、人影らしきものはない。
おそるおそるドアの向こうをのぞくと、カーテンが風ではためいていた。
あ……なんだ。
窓を開けっぱなしにしてたのか。
ドアが開いたのも、風の仕業だったらしい。
ひと安心して去ろうとしたあたしは、ふと足を止める。
……窓、閉めた方がいいよね?
雨風がどんどん強くなっているから、窓を開けていると部屋の中まで濡れてしまう。
勝手に那智の部屋に入るのは、気がひけるけど。
窓を閉めるだけだし……。