くすぐったいような感覚に、思わず身をよじると。
「あっ、嫌だったり痛かったりしたら、すぐ言って。なるべく気ぃつける」
その律儀な言い方に、あたしはつい場違いな笑いをこぼした。
「……こら、笑うなよぉ。緊張してんだから」
「ごめん」
こんなときに“カワイイ”って思っちゃうのは、変なのかな。
なんだか斗馬くんが無性にかわいく見えて、愛おしい。
でも次の瞬間、さらに深くキスしてきた斗馬くんは、やっぱり“カワイイ”とは程遠くて。
覆いかぶさる体の幅も
髪をなでる手の大きさも。
完全に、“男の人”だ。
じかに触れた肌の熱さが
愛しい人の存在をあたしに刻みこんでいく。
「斗馬くん……」
あたしはすべてを彼にゆだねた。