「そりゃバレるよ~、ふたりとも明らかに様子が変なんだもん。
目合わさないし、そのくせ遠くにいるときは相手のことチラチラ見てるし」
「でもっ、誰も気づいてなさそうだったよ?」
「必死で隠してるのが面白くて、みんな気づかないふりしてたからね~」
まるでドッキリが成功した仕掛け人のように、下里さんがゲラゲラと笑い転げる。
“みんな”って……
そんなにバレバレだった?
普通にしてるつもりだったのに、変だったのかな?
「さぁさぁ。ノロケ話を聞かせてもらおうじゃないの」
「や、ノロケなんて……別に、付き合おうってハッキリ言われたわけじゃないし」
「そうなの? でも何かあったでしょ?」
「…………」
ごまかすのはムリっぽい。