眉間に力を入れて耐えていると
那智は強引にあたしの体を押し開き、同時に口内に指をねじこんでくる。
開かされた唇から、出したくもない甲高い声が、意志を裏切って出た。
何をされているのか、わからなかった。
……ううん。本当は、わかりすぎるほどわかっていた。
だけど理解するのが怖くて、あたしは思考を投げ捨てるしかなかった。
不必要なほど大きな音をたてるベッド。
まるで“聞かせること”を目的にしたような、乱暴な行為。
あたしは悲鳴のような声で那智の名前を呼ぶけれど
返ってくるのは息遣いだけで
それはなんだか遠くに聞こえて……。
意志のない人形のように、ただ彼を受け入れながら
あたしは汚れた壁に両手をつき、涙を流した。