「メグひとりで大丈夫か?」
心配そうなヒロトに、「大丈夫」と答えるあたし。
きっとヒロトがあたしを呼んだのは、那智にとってあたしが特別な存在だと思ったからだ。
その期待に応えたかった。
「那智のアパート、すぐ近くだし。あたしが一緒に行くから、みんなは安心して帰って」
あたしは那智の右手をとって歩きだした。
少しは落ち着いたのか、それともあきらめたのか
彼は渋々だけど、あたしと一緒に歩いてくれた。
アパートまでは徒歩、数分。
駐車場のそばまで来たところで、あたしは足を止めた。
「じゃあ……あたしはここで」
今まで那智はあたしを部屋に入れてくれたことはない。
今日もきっとムリだろうと、最初からあきらめていたので、そう言った。
だけど、意外なことが起きた。