ヒロトに聞いてたどり着いた場所は、那智のアパートのすぐ近くだった。
高校生からは逃げ切ったらしく、その場には那智のグループの子しかいない。
みんなで那智を取り囲み、なだめている状態だ。
「メグ!」
あたしに気づいたヒロトが声を上げた。
不穏な空気の中、あたしは恐る恐る、その輪に歩み寄る。
全員が軽い傷を負っているけど、その中でも那智の姿は異様だった。
真っ赤に染まった左手。
明らかに他人のものの血に、胃の底がゾッと冷たくなる。
「ほら、那智。メグが来てくれたから、落ち着けよ」
腫れものに触るような声でヒロトが言ったけど、那智があたしの方を見ることはなかった。