「そっか、やっぱりなぁー」



ショックじゃなかったと言えば嘘になる。


だけどわかっていたことだから。



彼女が抱えている
大きな“何か”


それが具体的には何で

どんな男を想っているのかは、わからないけれど。



黙りこむ彼女に、俺は何も聞かないことにした。


ただ、一緒に星を見るために来たんだ。

今はまだそれでいい。



俺はあぐらをかき、ふたりで夜空を見上げた。


静かで、穏やかな時間だった。



そのとき、夜空に細い橋がかかるように

流れ星がサァッと弧を描いた。



「……あっ」


ふたりの声が重なる。



「見た!? 今の流れ星!」


興奮気味に叫ぶと


「うん!」


彼女の声も心なしか弾んでいる。