どうせ今日は勢いまかせの日。

だったらとことん、まかせてみよう。


俺は何の確信もないまま、彼女のアパートを探し始めた。



今ごろ彼女がひとりで震えているような

俺が手を差し伸べなきゃいけないような


そんな気持ちがどうしても拭えなかったから。




「――…桃崎さんっ」



ようやくアパートを捜しあてたのは数十分後。


彼女は駐車場にうずくまり、頼りない子どものように小さくなっていた。


やっぱり、何かあったんだ。

でなきゃこんな風に、家の外でうずくまったりしない。


彼女は顔を上げて俺の姿を確認すると、動揺で目を見開いた。



「やっと見つけた~」



俺はなるべくバカっぽく、お気楽な口調で駆け寄った。