たとえば彼女は、こんな風に甘えた瞳で男を見つめたりしない。
媚びた笑顔も、男をその気にさせるような仕草も見せない。
15歳の女の子にしては特殊なほど
凛として誇り高い――ように見える。
けれど一見強そうなその姿のむこうに、弱さと危なさが隠れていることに、俺は徐々に気づいていった。
ストイックともいえるほど、自分を抑えながら生きているような彼女。
あの抑制されたものを、俺の手で外したら、どうなるんだろう?
そんな想像をかきたてる彼女は、やっぱり魅力的な人だ。
少なくとも、このグラビアアイドルの数十倍は。
「――斗馬。そんなに気に入ったんなら買えば?」
冷やかすような湯川の声で、我に返った。
どうやらグラビアを真剣に見ていた俺を、よほど気に入ったと勘違いしたらしい。