「見た!? 今の流れ星!」


夜空とあたしの顔を交互に見ながら、叫ぶ斗馬くん。


「うんっ」


あたしも興奮気味に答えた。



「すげーっ。俺、流れ星なんか数年ぶりなんだけど」


「あたしも」



さっきまでの沈黙が解けて、空気が少しやわらかくなる。


すると、



「よかった。やっとしゃべってくれた」



斗馬くんが、フッと安心したように目を細めた。


あたしは妙に恥ずかしくなって、あわてて斗馬くんから視線をそらした。



「き、キレイだったねっ。
もう一回、星、落ちてこないかなー」



上を向いてつぶやいたあたしに、隣でクスッと斗馬くんが笑う。



「……何かおかしかった?」


「ん? あぁ、いや。
めずらしい言い方するなぁって思って」


「……え?」



「星が“落ちる”って」