「……サイテー」


そうつぶやきながら、
だけどニヤけそうになる頬を、ぐっとこらえた。


サイテーなのは、あたしもだね。

那智のあんな発言に、ちゃっかり優越感を抱いたりして。




「そういうお前の方こそ、しょっちゅう告白されてるらしいやん」



ペットボトルのコーラを片手に、那智がリビングに戻ってくる。


コーラを飲む動作に合わせ、小さく上下する那智の喉ぼとけ。


ボタンを開けた学ランからチラリとのぞく、鎖骨のラインに見とれていると、


「けっこう、俺の同級にも多いんやぞ」


あたしの正面に立ち、那智が言った。



「お前を狙ってる男」