「あっ、おはよう!」
最初にあいさつを返してくれたのは、斗馬くん。
彼の気さくな笑顔に、あたしは安心にも似た感情を覚える。
「おーっ、姫! おはよ~!」
続いて湯川くんや、他の子たちも声をかけてくれる。
あたしはぎこちないながらも、彼らと会話を交わす。
……クラスの子たちと少しずつ関わるようになったのは、ここ最近のこと。
携帯のアドレス帳にも、新しい名前が増えた。
人づきあいが下手なあたしは、大勢の輪の中にいると緊張してしまうこともあるけれど
そんなときは、さりげなく彼がフォローしてくれるんだ。
彼――そう、斗馬くんが。