“那智へ。
お父さんたちの一周忌のことで相談があるので、今夜はなるべく帰ってきてください。
私は21時までバイトをしてから帰ります”
法要の準備を進める前に、那智にも一応相談しておきたくて
あたしは那智の部屋の前に置手紙をして、アパートを出た。
朝の学校は、光と音であふれている。
朝日に目を細めながら教室に向かうと、聞き覚えのある話し声が聞こえてきた。
斗馬くんや湯川くんのグループだ。
ドアの近くでおしゃべりしている彼らは、あたしが教室に入ろうとしていることに気づかない。
「………おはよう」
勇気を出して声をかけると、彼らのおしゃべりがピタッと止んだ。