「あぁ……那智。ビックリした」 「電気くらい点けろや」 パチン、と音がして、部屋の中が明るくなる。 蛍光灯の下、濡れたように艶めく那智の黒髪。 「うちのオカンは?」 「留守。買い物じゃないかな」 「ふーん」 台所に飲み物を取りに行く那智が、あたしのすぐ横を通った。 ふたりきりになるのは久しぶりだな。 そう思ったら、脈が少し速くなった。 「那智」 「んぁ?」 「今日、また告白されたんだって?」