「男子高校生がエロに興味ないわけねーじゃん。俺ら、全力でエロいよ? 高濃度エロだよ?」
無邪気にケラケラ笑いながら、そんなことを言う田辺くん。
言ってる内容はアレなのに、全然いやらしく感じない。
あたしはすっかり毒気を抜かれてしまった。
そっか……。
これが
“普通の”男の子なんだ。
いい意味で空っぽで
真っ白で……。
「あー、そんでさ、姫。
ビックリさせたお詫びに、今晩メシおごらせてよ。
みんな、姫と仲良くしたいと思ってるんだ」
健やかな笑顔で
そう言われたとき
「門限」なんて下手くそな嘘、
つけなかった。