困った。

この状況は、非常に入りづらい。

どうするべきか迷っていると



「てか姫って、これに似てね?」



田辺くんの声がした。



「うわっ、マジだ」

「似てるー」

とみんなが続く。



何に似てるんだろう?


どうしても気になったあたしは、そっとドアを開けてすき間からのぞき見する。


事務室のテーブルにむらがる彼ら。


その中心には……


エッチな雑誌。



悩殺ポーズを決める、裸の女性の写真だった。



「ひゃあっ!」



思わず悲鳴をあげたあたしに、みんなの視線が集中する。



「げっ、姫!」


「今の聞いた!?」



あわてて雑誌を閉じる彼らに、なぜかあたしは「すみません!」とあやまり、逃げだした。