休けい時間になり、事務室に入ろうとすると、中からにぎやかな話し声が聞こえてきた。


湯川くんと田辺くん。

それに、他のバイトの子たち。


特に気にせずドアを開けようとしたとき、


「そういや、姫ってさぁ」


湯川くんのその声に、あたしは手を止めた。



「店ん中で浮いてる気がすんの、俺だけ?」


「あー、たしかにあの子は浮いてるよな」



他の子も同意する。


自分のウワサ話に遭遇してしまったあたしは、ドアの前に突っ立ったまま、入るに入れなくなってしまった。



「副店長なんて、あからさまに姫にだけ厳しいじゃん」


「あれは女の嫉妬だろー」


「姫、美人だもんなー」


「副店はいかにもモテなさそ」