翌日、教室に入ると湯川くんがハイテンションで話しかけてきた。


適当に返事をして離れ、自分の席につくと


「えーなんで湯川、姫に話しかけたのぉ?」


彼らのグループの女の子が、あたしに遠慮する様子もなく大声で言った。



「ん? 別にー。同じクラスなんだからあいさつくらいするだろ」



サラッと流し、すぐに他の話題に移す湯川くん。


……バイトのこと、周りの友達には言わなかったんだ。

あたしは少し感謝した。






数日後、世間はゴールデンウィークに突入。


ここぞとばかりにバイトの勤務時間を長くしてもらい、ひたすら目の前の仕事に没頭した。