お風呂を出てバスタオルを体に巻きつけ、脱衣所の鏡の前に立ってみた。


また痩せたな。鏡の自分とにらめっこしながら思った。


普通なら肉をつけていくはずの、15歳の体。

なのにあたしのそれは、くっきりと骨が浮かび上がって青白い。


自分がとても死に近い場所にいる気がして、あたしは空恐ろしくなった。



……怖いって、まだ思えるんだ。


死ぬことへの恐怖を、あたしはまだ普通に持っている。


それが不思議でたまらなかった。




「那智~、便所借りるぞ~」


「えっ…!?」



声と同時に、脱衣所のドアが突然開いた。


あっ、と思ったときには、見知らぬ男の子が鏡に映っていた。