おそらく30代前半、ショートカットに銀縁メガネ。

どことなく神経質そうな雰囲気の副店長は、あたしの履歴書に目を落として言った。



「あら、あなた、E高校なの?
湯川くんたちと一緒じゃない」


「……湯川くん?」



名前に覚えはある。

高校の同じクラスだ。


他人と関わらないあたしが覚えているくらいだから、つまりは教室で一番騒がしいグループ……あたしの苦手な人種。


よりによってそんな人と、バイトが被るなんて……



「おはようござ……あぁっ!」



事務室のドアを開けて入ってきた、噂の湯川くんが、あたしを見て目を丸くした。



「ピーチ姫じゃんっ!!」


「……は?」


ピーチ、姫?