パーティが終わったのは夕方。
何だかんだ最後までいた自分にあきれながら、店を出た。
熊野くんの家も同じ方向らしく、ふたりで自転車を並べて帰った。
「あ、あたし、こっちだから」
分かれ道でブレーキをかけて、熊野くんに声をかける。
「そっか。じゃあここでお別れだね」
熊野くんは自転車を降りると、あたしに右手を差し出した。
あたしも自転車を降りて、握手を交わした。
「高校に行ってもがんばって」
「うん。熊野くんもね」
「……桃崎さん」
手を握ったまま、熊野くんが言った。
「最後にもう一回言っていいかな。
俺、フラれてからも桃崎さんのこと好きだったよ」