「あ」


と思わずつぶやいて

教室の窓から外を見たら
やっぱりいた。



彼が。



ふわふわ舞う
桜のピンクに染まる中庭。



その色彩の中でも埋もれることのない

彼の存在感。



やわらかそうな髪が春風に揺れて
キレイな横顔に見とれた。




……惹きつけられる。


理由もなく。

どうしようもなく。