醜い自分に嫌気がさす。


那智を想う気持ちに歯止めがきかなくて

このままじゃ本当に、あたしはすべてを踏みつけてでも、那智を求めてしまう。


きっと、壊れてしまうよ……。






「やっぱりまだ校内におったんか」



30分ほど経ってから、体育館の裏を通って帰ろうとしたところを、那智につかまってしまった。



「……相賀さんは?」


「俺はお前に来いって言うたよな?」


「あの子……那智のこと好きなんだよ」


「そんなん俺らに何の関係があるねん」



イラだった那智の声に、蝉の鳴き声が重なる。


体育館から聞こえてくるのは、バスケ部のドリブルの音。


制服の下を、冷たい汗が一筋流れた。