翌朝は、悲しいくらいの晴天だった。
「えー。2学期はもっとも長い学期です。 一人ひとりがしっかりと目標を立てて……」
体育館に、お決まりの校長先生のスピーチが響いている。
全校生徒が集まった始業式。
なかなか終わらないスピーチの間、那智たちのグループがおしゃべりを始め、先生に注意されている。
そんな中で堂々と携帯をいじる那智の姿を、あたしは視界のはしで見ていた。
ポケットの中であたしの携帯が振動したので、先生に見つからないようにそっと取りだした。
那智からのメールだ。
『今日、なんで先に出た?』
今朝あたしが黙ってひとりで登校したことを、不審に思っているんだろう。
あたしは返事を送らずに、携帯をしまった。