那智の瞳はね


キレイで

どこまでも澄みきって



美しい景色を瞳の底に

いっぱい詰め込んでいるの。




だから映さないで。


今の、こんなあたしなんか。






「……なんで、泣くねん。
俺がおるのに……」






親の存在と引き換えに手に入れた

愛しい人の腕の中で
あたしは涙を流す。






あたしたちが望んだ世界は

これだったの?