3年にも渡る日記は、ある時期を境に白紙になっていた。 それは、あたしと那智の関係がお父さんたちにバレた時期に重なった。 読まなければ、よかった。 今さらこんなものを見て、受け入れる場所なんて あたしの心にはもう残っていない。 憎んでいた。 消えればいいと思っていた。 それが実際に叶った今、 ざまーみろと笑って言えるはずだった。 那智さえいれば それでいいと思ったのに。 「――…藍?」 なかなか戻ってこないあたしの様子を見に、那智が部屋に入って来た。