――――――――
――――――
――――







「――…え?」







電話がかかってきたのは

その日の夜だった。



受話器を置いた那智は、いつになく張りつめた表情であたしを見つめて言った。





「藍……。今、警察から電話があって」






……ねぇ

わかる? 那智。



あの頃のあたしたちは

本気で願っていたよね。




お互いさえいればいいと。

他は消えてなくればいいと。






「……おじさんの車が、事故に遭ったって……」








温かい殻の中で守られながら

夢みていたの。