しばらくするとお父さんたちが迎えにきた。


あたしが家を飛び出してから、ずっとお父さんは外を探し回り、
おばさんはもし連絡があったときのために、家で待機していたらしい。




帰りの車内では誰ひとり、しゃべろうとはしなかった。


家に着き、玄関を開けたところで


「藍ちゃん。あのね」


おばさんが口を開いた。



「実は――」


「今日はもうええやろ」



那智が割って入る。



「こんな疲れてるときに話し合っても、意味ないやんけ」


「……そうやね、ごめん。明日にするね」



シュンとしたおばさんから目を離し、那智はお父さんを見た。



「藍は今日、俺の部屋で寝かすから」