「誰か、いるんですか?」



目がくらむほどの光があたしを照らし、男の人の声がした。



「……え?」



涙とまぶしさで視界がかすむ。


何度かまばたきして目をこらすと、不審そうに近づいてくる人の姿が見えた。


その人の着ているのが警察官の制服だと気づいたとき

あたしは体の芯から力が抜けていくのを感じ、しばらく返事すらできなかった。






そして連れて行かれた交番で、あたしは思いがけない光景に遭遇することになった。


あたしを保護した人とは別の、まだ若そうな警官。

その隣に、那智が座っていた。



「藍っ」