歪んでしまいたい。
もっともっと、ふたり一緒に
いびつになって。
自分たちが普通で、他の人たちが変なんだって思えるくらいに、おかしくなって。
――それが“特別”の証だと
このときのあたしは思ったんだ。
その後すぐ、おばさんと一緒にお父さんもやって来た。
あたしと那智はおとなしく、お父さんの車で家に帰った。
「……昨夜はお父さんばかり、しゃべってしまったな」
前を見て運転しながら、お父さんがぽつりと言った。
どことなく、穏やかな口調だった。
「藍。今度はお前たちのことも話してくれないか?」
「え?」