その後は、朝まで話し合いだった。

もっとも話し合いとはいっても、口を開いているのはお父さんひとりだったけど。



那智のあの発言に、おばさんは青ざめた顔で足もとに崩れて。

そんなおばさんを気遣うように支えながら、お父さんはゆっくりと、今までの自分たちのことを話し始めた。



お父さんとおばさん。

ふたりは初恋の人同士だったということ。


だけどイトコという関係上、親たちに反対されて別れる道を選んだこと。


それぞれが別の家庭を持ってからは、ほとんど疎遠になっていたこと。


4年前におばさんのお父さんが亡くなり、そのお葬式で再会したこと。


親たちはすでにみんな他界し、唯一の親戚となったふたりは再び連絡を取り始め、

……そして、眠らせていた初恋が、よみがえってしまったこと。