「藍……」



あたしは床に座り込んだまま、体を震わせた。


こみあげる激情の行き場がなくて、手のひらに力がこもる。


スカートから露わになった自分の太ももに、無意識にきつく爪を立てた。



「藍、やめなさい。そんなことしたら血が出る」



お父さんがあわてて部屋に入ってきたけれど、あたしは制止の声を聞かず、さらに爪をめりこませた。



「そんなに再婚に反対なら、もう一度4人で話し合おう。な?」



なだめるように、お父さんがあたしの腕をつかみかけたとき。


他の手が、それをはねのけた。