「おばさんはお前らを心配して、お父さんに相談してくれたんだ」
「心、配……?」
「あぁ。……那智くんの部屋から、毎晩、ふたりの話し声が聞こえるって」
耳たぶがカッと熱くなった。
前から気づかれてたんだ。
おばさんはあたし達のことを知ってて、なのに知らないふりをして。
こんな形で、お父さんにバラすなんて……。
「……何が」
「藍?」
「何が、心配よ」
汚い。
「そんなこと言って、結局は自分たちの再婚をジャマされたくないだけじゃん……」
お父さんも、おばさんも
汚い。
「もとはと言えば、あんたたちが悪いんでしょ!
あたしと那智を会わせたくせに!
じゃあなんで最初から……
ホントのこと教えといてくれなかったの!?」
――あたしたちは
姉弟になるんだって。