猿沢は、「そっかあ」としばし黙ったあと言った。


「山本さんとは、いつも保健室でいっしょでしょ。だから、他の生徒より近い存在なのね」


「うん」


「何となく分かるんだけど、山本さんって何が起こっても感情が揺さぶられないって気がするの。」


「ええっ、でも怒り心頭ってことはあるよ」


「それでも長くつづかないでしょ?」


確かにそうかも。