幼なじみのご近所さんだから、こうやって会うのはしょっちゅうのことだが、それすらも神に感謝しちゃう。


それくらい私は機嫌が良かったのだ。



「よっ、まさくん。おはよう~」


おどけて言ったつもりが、正彦は私をちらっと見ただけで

「おぅ」

と小さな声でつぶやいてさっさと歩いてゆく。


「それだけー?」

と言ってみたが、振り返りもしない。