「光さん、まず言わせてほしいの。いまさらこんな話、聞きたくないかもしれないけれど」


ナツは改まった口調で私を見つめた。


グラスに口をつけたまま、軽くうなずいてみる。



「あなたのお父さん、そう速人さんとはね、ちゃんと別れたの。ほんとよ、ほんとなの」


私が黙っていると、「そうね」と、ナツは自分に言い聞かせるようにつぶやいてから話をつづけた。