紗耶香は、かなり気合いが入ってた。


誰かの披露宴にでも行けそうなピンクのスカートにチェックのシャツ、顔もうっすらと化粧までしている。


なんだか話す声色まで、いつもより高い気がしてしまう。


映画館までの道のり、紗耶香は私などいないかのように正彦にいろいろ話かけては笑っていた。


前を歩く2人についてゆく私は、さながら家来のようだ。