どうせ母だろうと思って
「ちょっと待っててもらって」

と言いかけた私は、入り口に立っている正彦を見て、再度悲鳴を上げた。


「なんだよ、人をお化けみたいに」


「いや、驚いちゃって…。ごめん、あと5分待って」


そうなのだ。


正彦にとっては、私はただの幼なじみなんだ。


改めてその現実を説明されたような感じがした。