「光か?なにやってんの?」


目を閉じた。



正彦の声が心地よく体に染み渡ってゆく感覚。


私、やっぱ、正彦が好きだ。


壁にもたれて絨毯に座った。


「今ね、部屋に戻ったとこ。なんか気が抜けるよね~、明日からなにしよっかなぁ」


「けっこうさ、みんな夏期講習とか行くらしいけどな。俺は興味ねぇし」

「まさくんらしいね」


「まぁな」


笑い声が受話器ごしにあたたかい。