ため息をついて、窓側に行く。


レースカーテンを開けると、昨日から続いている雨はますます激しくなっている。



「泣いているようね」

声にギョッとして振り向くと、猿沢が寝ぼけまなこで続けて言う。

「梅雨って、空が泣いてるみたい。泣いても泣いても足りないみたいな、そんなかんじ」