その人は、青いワンピースを着て、ニコニコと立っていた。

髪は長くストレートで、たぶん30歳くらいなのだろうか。


「うちの店に何かご用事かな?お客さんには見えない年だけど」


笑顔が素敵としか言いようがなかった。


私は焦っていたが、言葉がでてこない。

まさか会うとは思っておらず、全く心の準備ができていなかった。


そんな私を見て、紗耶香が余計なことを言った。


「光、探してたのこのお店でしょ?この人も探してたの?会えてよかったね」



私は紗耶香に殺意を覚えた。