そして、私は気づいた。




ついに泣くことができた。



涙を流すことができた。



感情を伝えることができた。




とたんに、今度は笑いがこみあげてきた。


「おい、何笑ってんだよ。忙しいヤツだな」


「ごめんごめん、まさくんありがと。もう大丈夫!」


私は、正彦の手をすり抜けて土手に立つ。