「で、なんて?」


先を急かしてしまう。


正彦はアッサリと

「なんか、お母さんが倒れたらしくてさ、面倒みなきゃならないらしくて、実家の方で店をやることにしたらしい。あわただしく出ていったってさ」

と言う。



「そっか…」


なるほど、と納得している様子の私を見て、正彦は不思議そうな顔をしている。


「意外に平気そうだな」


「うん、だね。なんか、いろいろと区切りをつけなきゃいけない時期が来たんだと思う」