記憶というものは曖昧なもので、裏山にある公園は久々に行くと大きさも景色も、昔見たそれとは違って見えた。


私たちは自転車を押して、さらに上にある丘の頂上についた。
数メートルの小さな丘だが、街を見下ろすことができる。



小さな頃、正彦とよく遊びにきた場所だ。


「あの頃は高く感じたのに、今はそうでもないな」

正彦が眼下を見渡しながら言った。


たしかに昔は、これを山だと信じ「裏山」と呼んでいた。
何年かぶりに来ると、すべてが小さく、そして低く見える。