「だって」

ようやく声が出た。

「だって、友達って言ったじゃん。これからは私が気にしているって…」


ナツはまるで私の話なんて聞いていないかのように

「もう、行かなくちゃ」

とつぶやいた。



「まって。行かないでよ」


悲しみの波に溺れそうになりながらも、私は言った。


ナツは、ただ微笑むだけ。


そして、その姿は、微笑みながら消えていった。