「いけません」

「は?」


眉間にシワを寄せた猿沢が、腕を組んで私を見つめる。


「山本さん、お酒は18歳になってからよっ」


「いや、飲みたいわけじゃないし。だいたい、お酒ってハタチからじゃなかったです?」


私の言葉に、「ん?」と考えこんでいた猿沢が、ようやく間違いに気づきあわてている。


猿沢は40を過ぎているが、天然なとこがかわいらしく、私は気に入っている。


「ちょっと調べものがあって場所を知りたいんですよ」

私は笑いながら言った。